宇高連絡船で広島に来た頃の旅の思い出
会員 天野秀昭
私の故郷は徳島県西部の三好郡東みよし町で,徳島道の吉野川ハイウェイオアシスがある町です。50年ほど前に大学に入学して広島に来ました。
今では瀬戸大橋で高速道路はつながり,鉄道も岡山で新幹線と特急を乗り換えれば広島と阿波池田とはスムースに行き来できます。広島に来た頃は新幹線はまだ岡山止まりで,土讃線ー宇高連絡船ー宇野線ー山陽本線と乗り継いでいました。
長い旅の途中での楽しみはやはり旅ならではの食べもので,一番思い出に残っています。私の旅のかつての定番は一部の方には共感していただけるのではないかと思います。
[阿波池田駅ホームの立ち食いそば]
私にとってこれぞ「そば」というのは祖谷そばです。それも太く黒いそばを熱いおつゆで食べる「かけそば」です。
阿波池田駅のホームの立ち食いではとてもおいしいそばが
食べられたのです。確か記憶では清月別館が駅弁を担当して
いて,その系列のお店だったのでしょうか,抜群の味でした。
ずいぶん以前に無くなってしまいましたが,今はその味を徳
島駅ホームの店が引き継いでいるという話を聞きましたので
一度訪れてみたいと思っています。
[宇高連絡船のうどん]
有名?な宇高連絡船の甲板上で食べたうどんです。特に帰省の時に食べると懐かしい出汁の味にほっとして,最高においしいうどんでした。
宇高連絡船が無くなった後は高松駅構内に「連絡船うどん」
としてもう少しコシのある麺で食べられましたが,2021年に
駅周辺の再開発のため終了しました。私が最後に食べたのは
今から5年ほど前でした。
出汁の味は探せばあるかもしれませんが,やはりあの味は
旅の途中での船の上というシチュエーションがなせるもの
だったとも思います。
[岡山駅の桃太郎の祭ずし]
これも有名な岡山駅の名物で,三好野本店が今もこのちらし寿司を提供し続けています。ままかりも入ったほんのりした甘さとお酢の味は長旅の疲れた体にはとても沁みました。
先日,宅配生協が扱った冷凍のものが手に入り
ましたので,久しぶりに食べることができました。
解凍でも変わらない味でおいしかったです。
コロナでの行動の制限も緩和しつつあります。
車での帰省で私にとって難関であった「猪ノ鼻峠」
の山道も,新しい「猪ノ鼻道」で香川の三豊から
徳島の箸蔵まで一直線になったようです。
できれば久しぶりに車で徳島まで行ってみようかとも思っています。